医療費の自己負担が多くなったとき、「高額療養費制度」と「医療費控除」は両方申請できるのか、迷う患者は多いです。答えは「両方申請できるが、計算方法に注意が必要」です。
本ガイドでは、税務申告で最も失敗しやすい「医療費から高額療養費給付金を差し引く計算」と「所得税還付額の正確な試算方法」を、税理士監修で解説します。誤った申請で還付漏れや追徴課税を避けるため、ぜひ最後までご確認ください。
高額療養費は「非課税給付金」である理由
なぜ所得税がかからないのか:法的根拠
高額療養費給付金は、所得税法第11条で「非課税所得」に指定されています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 法的根拠 | 健康保険法第115条、所得税法11条3号 |
| 性質 | 社会保険給付金(非課税) |
| 税務申告 | 所得税申告書に記載不要 |
| 確定申告に影響 | 受取金額が0円扱い |
なぜ非課税か: 給与や事業所得などの「個人の稼ぎ」ではなく、すでに納めた保険料に対する「社会保障としての返納」だからです。二重課税を防ぐため、税制上保護されています。
給与・一時金との違い
給与や退職金と異なり、以下の特性があります。給与は1年間の稼ぎとして所得税源泉徴収の対象です。一方、高額療養費給付金は保険料返納であり、所得税計算対象外となります。
ただし医療費控除を申請する際は、給付金が「控除対象外経費」として機能します。つまり医療費から差し引く必要があるという点で、給与と異なる扱いを受けるのです。
医療費控除との併用時の正しい計算式
医療費控除額の計算フロー(図解)
医療費控除は、以下の順序で計算します。この順序を間違うと還付額が大きく変わります。
【ステップ1】実際に支払った医療費
↓
【ステップ2】高額療養費給付金を差し引く
↓
【ステップ3】保険金・給付金を差し引く(その他)
↓
【ステップ4】10万円(または年収3%)を差し引く
↓
【医療費控除額】
↓
【所得税還付額(控除額 × 税率)】
医療費控除額の計算式
医療費控除額は以下の式で計算します。
医療費控除額 = (実際の支払額 - 高額療養費給付金 - その他給付金)- 10万円※
※年収200万円未満の場合は「年収 × 3%」を適用
所得税還付額は医療費控除額に所得税率を乗じて計算されます。
所得税還付額 = 医療費控除額 × 所得税率
高額療養費給付金の控除タイミング(重要)
高額療養費給付金は、医療費の「実支払額」から最初に差し引きます。
【誤った計算】
実際の支払額:200万円
医療費控除額:200万円 - 10万円 = 190万円 ❌
その後、給付金を受け取った
【正しい計算】
実際の支払額:200万円
高額療養費給付金:100万円(受け取った)
控除対象額:200万円 - 100万円 = 100万円 ✓
医療費控除額:100万円 - 10万円 = 90万円 ✓
給付金を受け取るタイミングに関わらず、同じ年の医療費から差し引くことが重要です。
計算例1:給与所得者(年収500万円)
前提条件:
– 年収:500万円(給与所得者)
– 2024年1月~12月の医療費総額:200万円
– 高額療養費給付金:120万円(既に受取済)
– 医療保険からの給付金(その他):0円
計算過程:
ステップ1:実際の支払額
200万円
ステップ2:高額療養費給付金を差し引く
200万円 - 120万円 = 80万円
ステップ3:その他給付金(なし)
80万円
ステップ4:基礎控除10万円を差し引く
80万円 - 10万円 = 70万円
【医療費控除額】70万円
ステップ5:所得税還付額を計算
年収500万円 → 所得税率 20%
70万円 × 20% = 14万円
【所得税還付額】約14万円※
※調整控除・控除の順序により実額は異なります
計算例2:年収200万円未満の場合(10万円ルール適用外)
前提条件:
– 年収:150万円
– 2024年1月~12月の医療費総額:50万円
– 高額療養費給付金:20万円(既に受取済)
計算過程:
ステップ1:実際の支払額
50万円
ステップ2:高額療養費給付金を差し引く
50万円 - 20万円 = 30万円
ステップ3:基礎控除額を計算
150万円 × 3% = 4.5万円
(10万円ルールではなく「年収の3%」を適用)
ステップ4:医療費控除額
30万円 - 4.5万円 = 25.5万円
ステップ5:所得税還付額を計算
年収150万円 → 所得税率 5%
25.5万円 × 5% = 1.275万円(約1.3万円)
【所得税還付額】約1.3万円
よくある誤算パターン3つ
誤り① 高額療養費を控除忘れ
【誤った申告】
実際の支払額:200万円
10万円控除:200万円 - 10万円 = 190万円
医療費控除額:190万円 ❌
【正しい申告】
実際の支払額:200万円
高額療養費給付金:120万円
控除対象額:200万円 - 120万円 = 80万円
10万円控除:80万円 - 10万円 = 70万円
医療費控除額:70万円 ✓
【損失額】190万円 - 70万円 = 120万円分の控除を無駄に
税務署で指摘される理由: 確定申告書に「高額療養費給付金」の記載欄があり、金額の矛盾で自動検出されます。
誤り② 控除対象外の医療費を含める
【誤り】自費診療(美容医療)150万円を含めた
実際の支払額:300万円(含む自費診療)
├─ 保険診療:150万円 → 高額療養費対象 ✓
└─ 自費診療:150万円 → 高額療養費対象外 ❌
【正しい計算】
保険診療のみ:150万円
高額療養費給付金:100万円
控除対象額:150万円 - 100万円 = 50万円 ✓
自費診療:150万円(そのまま加算)✓
合計控除対象額:50万円 + 150万円 = 200万円 ✓
医療費控除額:200万円 - 10万円 = 190万円 ✓
誤り③ 支払時期と給付時期のズレ
【誤り例】
2024年の医療費:300万円(2024年12月に支払った)
2025年1月に高額療養費100万円を受け取った
→ 2024年の確定申告では、給付金をまだ受け取っていないため
計上できません
【正しい処理】
2024年の医療費:300万円
医療費控除額:300万円 - 10万円 = 290万円
↓
2025年1月に給付金100万円を受け取った
↓
2025年の追加申告:290万円 - 100万円 = 190万円に修正
または
2025年の確定申告で「給付金100万円を控除」として
290万円を修正申告する
対象医療費の判定表(高額療養費 vs 医療費控除)
保険診療と自費診療の判定
医療費控除を申請するとき、最も混同しやすいのが「どの医療費が控除対象か」です。特に重要な点は、高額療養費対象は保険診療のみであり、医療費控除対象は保険診療と医学的必要性がある自費診療です。
判定表:保険診療 vs 自費診療
| 医療行為 | 高額療養費対象 | 医療費控除対象 | 給付金受取後の取扱 |
|---|---|---|---|
| 一般的な医科診療 | ✓ | ✓ | 医療費から給付金を差引 |
| 入院(室料差額除く) | ✓ | ✓ | 給付金を差引 |
| 保険薬局(処方箋) | ✓ | ✓ | 給付金を差引 |
| 保険整骨院 | △ | ✓ | 医学的必要性で判定 |
| 保険歯科 | ✓ | ✓ | 虫歯治療・矯正も対象 |
| 自費診療(保険外) | ✗ | ✓ | 給付金対象外 |
| インプラント | ✗ | △ | 医学的必要性で判定 |
| 美容医療 | ✗ | ✗ | 対象外 |
| 差額ベッド代 | ✗ | ✗ | 患者選択は対象外 |
| 予防接種 | ✗ | ✗ | 予防的措置は対象外 |
| 医療用医薬品 | ✓ | ✓ | OTC医薬品も含む |
| 人間ドック | ✗ | △ | 異常発見時のみ対象 |
| AGA・ED治療 | ✗ | ✗ | 保険外診療 |
| レーシック | ✗ | ✗ | 視力矯正は対象外 |
グレーゾーンの医療費の判定
整骨院・柔道整復施術
整骨院の施術が高額療養費対象になるには、医学的必要性があり、施術が医療行為の範囲内であること、そして健康保険組合が給付認可することが条件です。疲労回復目的や美容・リラクゼーション目的、医学的必要性が認められない施術は対象外となります。
領収書に「健康保険請求」と記載されていれば、通常は高額療養費対象です。
歯科治療(インプラント・矯正)
むし歯治療や歯周病治療、義歯・ブリッジは医療費控除対象です。インプラントや矯正は医学的必要性があれば対象となります。特に顎変形症による矯正であれば控除対象です。一方、美容目的の矯正やホワイトニング、自由診療での補綴は対象外となります。
重要: インプラントは「保険診療外」なため、高額療養費対象外です。医療費控除には「医学的必要性の医師診断書」があれば対象となります。
人間ドック・検診
異常が発見された場合、その後の治療費と合わせて医療費控除対象となります。一方、異常が発見されなかった場合や結果が「正常」で終了した場合は対象外です。
所得税法で「治療に直結する検査」を対象としているため、単なる健康診断は対象外です。
高額療養費給付金と医療費控除の「二重申請」を避ける
よくある誤解:「二重申請は不正か」
答え:NO。二重申請は正当な権利です。ただし、計算順序が異なります。
【誤解】
「給付金を受けたなら医療費控除は使えない」❌
【正解】
「給付金を受けたら、医療費から差引いて医療費控除を申請」✓
正しい申請順序
手順1:高額療養費の申請(先に申請する)
時期:医療費支払い後~3ヶ月以内(月末ごとに申請)
申請先:加入健康保険(協会けんぽ・組合健保など)
給付対象:保険診療のみ
給付額:自己負担限度額を超えた分
【提出書類】
✓ 高額療養費支給申請書
✓ 医療機関の領収書(コピー)
✓ 健康保険証
✓ 身分証
手順2:医療費控除の申告(確定申告時)
時期:翌年2月16日~3月15日
申請先:税務署
給付対象:実際の支払額 - 高額療養費給付金
= 実額控除の対象
【提出書類】
✓ 医療費控除の内訳書
✓ 領収書一覧
✓ 高額療養費給付金の領収書
✓ 給付通知書(健康保険から送付)
申請タイミングの工夫
申請時期によって対応が異なります。1月に医療費を支払い、3月に給付金を受け取った場合、同じ年の確定申告で両方計上可能です。一方、12月に医療費を支払い翌年1月に給付金を受け取った場合、2つの年に分かれる可能性があります。
この場合、翌年の確定申告で「前年度給付金」として計上することになります。給付予定額がわかっている場合は、その見積もり額で先に申告し、後に修正申告する方法もあります。
所得税還付額の試算方法
還付額の計算ステップ
所得税還付額は以下の式で計算します。
【ステップ1】医療費控除額を計算
医療費控除額 = (実支払額 - 高額療養費) - 10万円
【ステップ2】所得税率を確認
給与所得 = 年収 - 給与所得控除額
【ステップ3】控除額に税率を乗じる
所得税還付額 ≒ 医療費控除額 × 所得税率
年収別の所得税率表(2024年度)
| 年収(給与所得者) | 給与所得控除後の金額 | 所得税率 | 還付額(医療費控除100万円の場合) |
|---|---|---|---|
| 150万円 | 70万円 | 5% | 約5万円 |
| 200万円 | 94万円 | 5% | 約5万円 |
| 300万円 | 170万円 | 10% | 約10万円 |
| 500万円 | 332万円 | 20% | 約20万円 |
| 700万円 | 462万円 | 23% | 約23万円 |
| 1,000万円 | 622万円 | 33% | 約33万円 |
注記: 実際の還付額は、基礎控除・配偶者控除・扶養控除などの組合せにより変動します。上記は概算値です。
シミュレーション方法
以下の情報を入力することで、還付額を概算できます。
【入力項目】
1. 年収(給与所得者なら源泉徴収票の「給与所得控除後の金額」)
2. 2024年1月~12月の医療費総額
3. 受け取った高額療養費給付金額
4. その他の医療保険給付金額
【出力】
医療費控除額 = (実支払額 - 高額療養費) - 10万円
推定還付額 ≒ 医療費控除額 × 推定所得税率
推奨: 正確な試算には、税理士またはe-Tax「医療費控除シミュレーション」をご利用ください。
確定申告時に提出すべき書類と記載内容
確定申告書の記載方法
申告書第2表(給与所得者向け)
確定申告書第2表に高額療養費給付金額を記載することは重要です。受け取った給付金の総額を記入してください。例として、120万円の給付金を受け取った場合は「120万円」と記入します。
その他の給付金(医療保険・生命保険など)については、別途記載します。この記載がないと、税務署が指摘し修正申告を求める場合があります。
医療費控除の内訳書
医療費控除の内訳書には以下の順序で記載します。
【記載順序】
1. 医療を受けた人の氏名
2. 医療機関の名称・所在地
3. 支払った医療費
4. 保険金などで補填された金額 ← ここに高額療養費を記入
5. 差し引き後の金額
6. 医療費の種類(診療・入院・薬代など)
必須書類一覧
| 書類 | 発行元 | 提出時期 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 医療費の領収書 | 医療機関 | 確定申告時 | 原本必須(コピー不可) |
| 高額療養費給付通知書 | 健康保険 | 申請後1ヶ月以内 | 給付金額を証明 |
| 源泉徴収票 | 勤務先 | 翌年1月31日まで | 給与所得控除計算用 |
| 医療費控除の内訳書 | 自作(国税庁様式) | 確定申告時 | e-Taxなら自動作成 |
| 給付金領収書 | 健康保険 | 確定申告時 | 給付を受けたことの証拠 |
保存期間(税務署査察対応)
医療費の領収書と給付金通知書は5年間、確定申告書(控)は7年間の保存が推奨されます。
税務調査で「医療費の過大計上」を指摘される場合があるため、領収書で実額を証明する必要があります。特に医療費が高額な場合は、詳細な記録を保管しておくことが重要です。
特殊ケース:会計処理(個人事業主・法人向け)
個人事業主の場合
個人事業主が医療費を支払った場合、所得税と事業税の両面で異なる処理が必要です。
【医療費の性質を判定】
1. 事業用経費(事業に関連する医療費)
例)職業病の治療、出張中の医療費
→ 事業所得から差引(事業税軽減)
2. 個人的医療費(私生活に関連)
例)一般的な疾病治療、入院費
→ 医療費控除で所得税軽減
事業用経費と個人医療費の区分
事業用経費として計上する場合、給与所得控除はなく、全額を事業所得から差し引けます。一方、医療費控除として計上する場合は10万円ルール適用となり、所得税還付の対象となります。高額療養費給付金を差引する必要がある点は変わりません。
医療費が事業関連か個人的かが不明な場合は、顧問税理士に相談することをお勧めします。
法人の場合
従業員の医療費を会社が負担した場合、福利厚生費として全額損金参入可能です。従業員給与と異なり、所得税非課税となります。
ただし、全従業員が対象であること(差別的扱い不可)、「社員健康診断」など制度化が必須であること、給付金は受け取らない(個人負担なし)という条件があります。
従業員の個人的医療費を会社が負担する場合は給与所得扱いとなり、源泉徴収対象です。この場合、従業員は医療費控除を使用できません。
よくある質問(FAQ)
Q1. 高額療養費をもらってから医療費控除を申請した場合、計算はどうなる?
A. 医療費控除を申請する際に、実際の支払額から高額療養費給付金を差し引きます。
【例】
実際の支払額:200万円
高額療養費給付金:120万円(後で受け取った)
医療費控除の計算時:
200万円 - 120万円 = 80万円を控除対象額とします
医療費控除額:80万円 - 10万円 = 70万円
給付金を受け取るタイミングに関わらず、同じ年の医療費から差し引くことが重要です。
Q2. 高額療養費と医療費控除、どちらを優先すべき?
A. 高額療養費の申請を先に完了させてください。
【申請順序】
1. 高額療養費:医療費支払い後3ヶ月以内に健康保険に申請
2. 医療費控除:翌年の確定申告時に税務署に申告
【理由】
高額療養費の給付額が確定しないと、
医療費控除の正確な計算ができません
Q3. 自費診療と保険診療が混在している場合、どう計算する?
A. 保険診療と自費診療を分けて計算します。
【保険診療部分】
実支払額:150万円
高額療養費給付金:100万円
控除対象額:150万円 - 100万円 = 50万円
【自費診療部分】
実支払額:150万円
(高額療養費対象外のため、そのまま加算)
【合計】
医療費控除対象額:50万円 + 150万円 = 200万円
医療費控除額:200万円 - 10万円 = 190万円
高額療養費給付金は、保険診療の実支払額からのみ差し引きます。
Q4. 医療費控除で所得税が戻らない場合はあるか?
A. あります。以下のケースでは還付がない、または少額です。
【還付がない場合】
1. 医療費控除額が10万円以下
→ 控除対象額が0円
2. 年収が低い(100万円以下)
→ 所得税非課税、還付対象外
3. 医療費控除の枠内で所得税がすでに納入されていない
→ 源泉徴収税額がゼロに近い場合
【還付が少ない場合】
1. 所得税率が低い(年収150万円なら5%)
→ 医療費控除100万円 × 5% ≒ 5万円程度
推奨:医療費が10万円未満の場合、医療費控除は申請せず、
高額療養費のみの申請を検討してください
Q5. 5年遡ってさかのぼって医療費控除を申請できるか?
A. はい。最大5年間の遡及申告が可能です。
【遡及申告のルール】
申告期限:医療費支払い年の翌年から5年以内
例)2019年の医療費 → 2024年までに申告可能
【必要書類】
✓ 過去年度の領収書
✓ 高額療養費給付通知書(過去分)
✓ 修正申告書(e-Taxで提出)
【注意点】
還付がある場合:修正申告書(利子税なし)
追徴がある場合:修正申告書(加算税あり)
5年以上前の医療費については、税務署に相談してから申告してください。
Q6. 高額療養費の給付金額が間違っていた場合、医療費控除はどうする?
A. 給付金額が確定した時点で、医療費控除の修正申告を検討してください。
【パターン】
2024年:医療費200万円を支払った
給付金予定額100万円で医療費控除を申請
医療費控除額:(200万円 - 100万円) - 10万円 = 90万円
2025年1月:実際の給付金は80万円だった
【対応】
医療費控除額の修正:
(200万円 - 80万円) - 10万円 = 110万円
差額:110万円 - 90万円 = 20万円
修正申告で「20万円分の追加控除」を申請
→ 所得税還付金が追加で返金される
給付金の差額が小さい場合は、修正申告の手続きより
簡略な「更正請求」の利用も検討してください
Q7. 高額療養費を受け取っていないが、医療費控除を先に申請してもいい?
A. はい。ただし、その場合の計算方法に注意が必要です。
【高額療養費をまだ受け取っていない場合】
医療費控除申告時の取扱い2パターン
【パターン1】給付予定額を見積もって計上
実支払額:200万円
給付予定額:100万円(自己負担限度額の計算による)
医療費控除額:(200万円 - 100万円) - 10万円 = 90万円
その後、給付金が異なった場合は修正申告
【パターン2】実支払額のまま申告(給付金を含めない)
医療費控除額:200万円 - 10万円 = 190万円
ただし後で給付金を受け取った場合、
その年の翌年に「更正請求」で修正が必要です
給付予定額がわかっている場合は、パターン1の方法で先に申告し、給付金確定後に
よくある質問(FAQ)
Q. 高額療養費と医療費控除は両方申請できますか?
A. はい、両方申請できます。ただし医療費から高額療養費給付金を差し引いて計算する必要があります。誤った順序で計算すると還付漏れが生じます。
Q. 高額療養費給付金に所得税はかかりますか?
A. いいえ、かかりません。所得税法第11条で非課税給付金に指定されており、社会保障としての返納金であるため二重課税が防がれています。
Q. 医療費控除を計算する際、高額療養費給付金はいつ差し引きますか?
A. 給付金の受取時期に関わらず、同じ年の医療費から最初に差し引きます。10万円の基礎控除よりも先に差し引くことが重要です。
Q. 年収によって医療費控除の計算方法は変わりますか?
A. はい、変わります。年収200万円以上は10万円の固定額ですが、年収200万円未満の場合は「年収×3%」を適用します。
Q. 医療費控除額から所得税還付額を計算する方法は?
A. 医療費控除額に所得税率を乗じます。例えば控除額70万円×税率20%=還付額14万円となります。正確な還付額は税務申告で確定します。

