入院中の食事代は、健康保険から出る「入院時食事療養費」と、患者が払う「標準負担額」でまかなわれます。保険者が医療機関に直接払うので、患者が窓口で払うのは標準負担額だけです。
標準負担額は2026年6月1日から改定されました。この記事は、入院費を請求する医療機関の医事課と、減額の申請を受ける保険者の担当者に向けて、金額と減額の手続きを整理したものです。
1食あたりの標準負担額
| 区分 | 2025年4月〜2026年5月 | 2026年6月〜 |
|---|---|---|
| 一般 | 510円 | 550円 |
| 難病患者・小児慢性特定疾病患者(住民税非課税世帯を除く) | 300円 | 330円 |
| 住民税非課税世帯 | 240円 | 270円 |
| 住民税非課税世帯で、過去1年間の入院日数が90日を超える | 190円 | 220円 |
| 住民税非課税世帯で所得が一定基準に満たない70歳以上(低所得者Ⅰ) | 110円 | 130円 |
1日の標準負担額は3食分が上限です。また、標準負担額は高額療養費の対象になりません。
医療療養病床の65歳以上(入院時生活療養費)
| 区分 | 食費(1食) | 居住費(1日) |
|---|---|---|
| 一般 | 550円(管理栄養士等を置いていない医療機関は510円) | 430円 |
| 難病患者等 | 330円 | 0円 |
| 低所得者Ⅱ(住民税非課税世帯) | 270円 | 430円 |
| 低所得者Ⅰ(年金収入80万円以下等) | 160円 | 430円 |
(いずれも2026年6月1日以降。居住費は2026年5月までの370円から上がっています)
医療機関側の費用の額も変わった
同じ2026年6月1日から、食事療養の費用の額(告示)も上がっています。たとえば入院時食事療養(Ⅰ)は1食690円→730円(流動食のみは625円→665円)、入院時食事療養(Ⅱ)は556円→596円です。標準負担額との差が入院時食事療養費として保険者から支払われます。
減額を受けるには(協会けんぽの場合)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 申請書 | 健康保険限度額適用・標準負担額減額認定申請書(70歳未満の低所得者以外は別様式の限度額適用認定申請書) |
| 所得の証明 | 非課税証明書など。マイナンバーを使った情報照会を希望すれば不要(照会できない場合は提出が必要) |
| 提出 | 加入している協会けんぽ支部へ郵送、または電子申請 |
| 有効期間 | 申請月の初日(加入月なら資格取得日)から、初めて来る7月末日まで |
認定されるとマイナ保険証で減額が受けられます。資格確認書で受診する場合は、認定証をあわせて窓口に出してもらいます。
長期入院(90日超)の区分に切り替えるとき
- 長期入院とは、申請を行った月以前1年間に90日を超えて入院していること
- 申請書1ページの「長期入院されましたか」に「はい」と答え、2ページの長期入院欄に入院期間を書く
- 入院期間が書かれた領収書など、入院期間を証明する書類を添付する
- 数えられるのは、保険者に低所得者として認められた期間の入院に限る
低所得者として認められていなかった期間の入院は90日に数えられない点が、窓口で説明が必要になりやすいところです。医療機関側は、入院日数が90日に近づいた非課税世帯の患者に、申請の準備(領収書の保管)を案内しておくと切り替えが遅れません。
医療機関の窓口でやること
- 入院時に、住民税非課税世帯の患者かどうかを確認し、該当しそうなら減額認定の申請を案内する
- マイナ保険証の患者はオンライン資格確認で区分を確認し、資格確認書の患者には認定証の提出を求める
- 非課税世帯の患者で入院が長くなりそうなら、入院期間が書かれた領収書を保管してもらう(長期入院の申請で使う)
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よくある質問
ほかの病院の入院日数も90日に数えられますか
協会けんぽの申請書の長期入院欄には、入院した医療機関の名称・所在地と入院期間を複数書く欄があります。保険者に低所得者として認められた期間の入院であれば、医療機関ごとに書いて証明書類を添付します。
食事代は高額療養費の計算に入りますか
入りません。標準負担額は高額療養費の対象外です。
2026年8月の高額療養費の見直しで食事代も変わりましたか
食事の標準負担額の改定は2026年6月1日からで、高額療養費の見直し(2026年8月)とは別のものです。
限度額適用認定証の窓口での扱いは限度額適用認定証の窓口対応をご覧ください。
取り扱いは加入している保険者(協会けんぽ・健康保険組合・市町村国保・後期高齢者医療広域連合など)によって異なる場合があります。実際の手続きは、各保険者の窓口で最新の取り扱いをご確認ください。

